家を建てるには、むずかしい時代になった。
家を建てるには、むずかしい時代になった。
建築資材は上がり、職人は減り、施工会社の信用不安、さらには金利も上がりはじめた。家は、誰にでも気軽に手が届くものではなくなっている。だからといって、家を建てる人がいなくなるわけではない。隣の人が買ったから、自分たちも買う。もう、そんな時代ではないのだと思う。賃貸でも暮らしてはいける。中古住宅という選択もある。
それでも、自分たちのために一から家を建てようとする人がいる。その人たちは、人生の中で「暮らすこと」の順位が高いのだと思う。どうせ手に入れるのなら、長く使えるものがいい。手を入れながら大切に使い、年月とともに美しくなっていくものがいい。無垢の床についた傷も、柱の色艶も、庭の木々の成長も、そこに暮らした家族の時間として残っていく。古くなるのではない。住む人とともに、味わいを深めていく。
服も、家具も、いいものは手入れをすれば長く使える。家も同じである。目先の価格だけを見れば、安いものはいくらでもある。けれど、安く買って短く使うのか、納得できるものを選び、手をかけながら長く使うのか。それは金額の違いではない。生き方、考え方の違いであろう。
住む人の思いを受け止め、職人が手をかけ、年月を重ねるほど、その家らしい美しさが生まれてくる。長崎材木店一級建築士事務所がつくりたいのはそんな人のための家である。
だから私たちは、年間二十三棟までと決めている。一棟一棟に向き合い、職人が手をかけ、私たちが責任を持って見届ける。そのために守らなければならない数である。二十三棟を超えれば、少しお待ちいただくことになる。それでも、無理に数を追うことはしない。
家は、建てた日に完成するものではない。手を入れ、暮らしを重ね、住む人とともに、少しずつ美しくなっていく。私たちがつくりたいのは、そんな家である。

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