見えない働き者
家一軒の壁に、500キロの材料を塗る。
5キロの米袋なら、100袋分になる。
そう考えると、ずいぶんな量である。私たちが使うのは、「伊予西条壁」。
左官職人が鏝を手に、一面ずつ塗り上げていく。厚みで言うと3ミリ。
効率では、つくれない壁である。
人の手をかけた分だけ、壁には静かな表情が残る。その壁は、湿気を吸い、また吐き出す。
空気を浄化しながら、声も立てずに家の中を整えている。壁もまた、暮らしを支えている。
目立たないものほど、よく働く。
※伊予西条壁は、一般的なビニールクロス(0.3ミリ)の約10倍にあたる3mmの厚さを、
左官職人が鏝(コテ)で一面ずつ丁寧に塗り上げる。

092-942-2745