福岡県注文住宅 | 株式会社長崎材木店一級建築士事務所 | 設計士と作る素敵な家 自由設計デザイン
「福岡注文住宅」

TEL092-942-2745

営業時間 9:00〜18:00 (水・木曜定休)

設計士の眼

Architect's eye

湿気をためこまない家づくり──快適な空気は、設計からはじまる

こんにちは。設計士の西田です。

6月に入り、空は曇天、肌にはじっとりとまとわりつく空気。
ようやく「梅雨らしい」季節がやってきたように感じます。

雨の日が続くと、気分もどこかどんよりしがちですね。
お客様との打ち合わせでも、「部屋の中がジメジメして困っている」という声をよく耳にします。

実はこの“湿度”というもの、住まいの快適さを大きく左右する、とても重要な要素なのです。

たとえば、同じ「28℃」という室温でも、湿度が60%を超えると不快に感じ、
湿度が40%台だと「なんだか涼しい」と感じることが多くあります。
つまり、「暑さ=温度」ではなく、「湿度」との掛け合わせで感じているということ。

だからこそ、住まいの中で湿気をためこまない工夫がとても大切になります。

本日は、私たち長崎材木店で日々の設計に取り入れている「湿度と上手に付き合う工夫」について、3つの視点からご紹介します。


1|無垢材で“空気を整える”

木は、伐採された後も呼吸をしています。

梅雨時のように湿度が高いと空気中の水分を吸い、
冬場など乾燥するときには、木の中にたまった水分を放出する――
これが「調湿効果」です。

無垢材は、合板やプリント板とは異なり、自然な“空気のゆらぎ”を生み出してくれます。
たとえば、床・天井・造作カウンターなど、身体が触れる部分に使うことで、
湿度だけでなく「温もり」や「手ざわり」まで感じ取ることができます。

私たちは、とくに梅雨から夏にかけて無垢材の魅力を一層感じています。
足裏がべたつかず、さらっとした心地よさがあり、エアコンに頼りすぎない暮らしへとつながっていきます。


2|塗り壁──自然素材のフィルター効果

弊社の塗り壁「伊予西条壁」、火山灰が海水と反応して生まれた天然鉱物。
約700万年もの時間をかけて生成される「自然の調湿材」です。

職人の手仕事の壁です。

この素材は「多孔質構造」と呼ばれる、ミクロ単位の小さな穴が無数に開いた性質を持っており、
その穴が空気中の湿気やニオイを吸着・放出してくれるのです。

塗り壁の魅力は、見た目の美しさもさることながら、
施工後も“生きた素材”として、目には見えない空気をずっと整え続けてくれること。

しかも防火性・防臭性にも優れ、空気がこもりがちなトイレや脱衣室にも適しています。


3|窓は“開口部”ではなく“空気の流れをデザインする場所”

湿気対策で最も基本となるのが「換気」です。

しかし単純に窓を多くつけるだけでは、空気の流れはつくれません。
風には方向があり、季節によって流れも変わります。
私たち設計士は、まず敷地調査の段階から「どこから風が入り、どこへ抜けるか」を丁寧に読み取っていきます。

たとえば…

  • 縦すべり出し窓:風をキャッチして室内に取り込む

  • 高窓・欄間窓:上部にたまる湿気を抜く

  • 引き違い窓:開閉のしやすさと採光のバランス

このように、窓の形・高さ・配置の組み合わせが、風の道を決めます。

また、窓の先に植栽や格子などを配置することで、
プライバシーを守りながらも、外からの風はしっかり室内へ取り込める設計が可能です。


湿気を“敵”にしない住まいへ

湿気というと、どうしても「カビ」や「べたつき」といったネガティブな印象を持ちやすいですが、
実はそれをうまく活かすことで、エアコンに頼りすぎない、自然と調和した暮らしが実現できます。

無垢材、塗り壁、窓設計──
これらはすべて、“湿気をためこまないための下地”であり、
同時に“人にとってちょうどいい空気”を育てるためのデザインでもあります。

ぜひ、梅雨のこの時期だからこそ、スタジオや完成見学会で「空気の違い」を体感してみてください。
目に見えない快適さを、きっと感じていただけるはずです。


FAQ|湿気対策に関するよくあるご質問


Q1:調湿効果のある無垢材は、どの場所に使うのがおすすめですか?
A:床や天井など広い面積の場所に使うと効果的です。寝室・リビングなど滞在時間が長い場所に使うと、体感としても快適さを感じやすくなります。


Q2:塗り壁「伊予西条壁」のデメリットはありますか?
A:強いて言えば、ビニールクロスに比べて施工費がやや高めです。ただし、調湿・脱臭・質感の美しさなどを含めたトータルの快適性を重視される方には非常におすすめです。


Q3:風が通る家にしたいのですが、外からの視線が気になります。
A:プライバシーを守るための設計は可能です。たとえば「高い位置に窓を設ける」「植栽を配置する」「格子を使う」などで、視線を遮りながら風を通す工夫ができます。


Q4:エアコンなしでも快適に過ごせますか?
A:完全にエアコンなしというのは現代の日本の夏では難しい面もありますが、エアコンの使用を最小限に抑えられる家にはなります。断熱・通風・調湿のバランスを取ることで「自然に快適」な空間が実現できます。


Q5:リフォームでも湿気対策はできますか?
A:はい、可能です。たとえば、壁をゼオライト塗り壁に変える、床を無垢材にする、通風のために窓を追加するなど、ポイントを押さえた部分的なリフォームでも効果は得られます。

 

私たち長崎材木店一級建築士事務所は、“より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。

設計士の眼 一覧

さらに見る