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設計士の眼

Architect's eye

1958年にデザインされた 「Spanish Chair(スパニッシュチェア)」。

こんにちは!

設計士の小柳です。

今日は、モデルハウスに置いてある椅子の中から、とっておきの名作をひとつご紹介したいと思います。

家具好きな方にはおなじみかもしれませんが、そうでない方にもぜひ知っていただきたい、美しく、そして思想のある椅子です。

それが、1958年にデザインされた 「Spanish Chair(スパニッシュチェア)」

デザイナーは、デンマークを代表する家具デザイナー、ボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)

彼は「庶民のための家具を」という信念をもち、使い手の暮らしを見つめた温かなデザインを数多く生み出してきました。

この椅子の特徴は、なんといっても分厚い一枚革と、存在感のある無垢のオーク材

その佇まいは、どこか品がありながらも、気取らずに迎え入れてくれるような、そんな安心感があります。

幅広のアームレストは、単なる肘置きではありません。

本やコーヒーカップを置いて、ちょっとしたサイドテーブルのように使えるつくりになっています。

リビングに置いたときの「ちょっとした余白」が、とても豊かな時間を生んでくれるのです。

また、この革は天然植物の樹皮から採れるタンニンでなめされた本革

表面をコーティングせず、使い込むほどに色つやを深めていく、まさに「時とともに育つ素材」です。

私たちが家づくりで大切にしている“経年美化”とまさに同じ考え方。

使い手の手の跡や暮らしの痕跡が、そのまま風合いとして刻まれていく家具です。

モーエンセンのデザインには、派手さや奇抜さはありません。

けれど、暮らしを真ん中に置いた美しさがある。

使いやすさと耐久性を追求し、誰もが「永く、自然に、愛せる」かたちを選び抜いた結果として、この椅子は誕生しました。

ちなみに、彼の母国であるデンマークには「ヒュッゲ(Hygge)」という言葉があります。

直訳が難しい言葉ですが、端的にいえば「心地よさ」や「丁寧で豊かな時間」を指す概念です。

冬が長く、外に出る時間が限られるデンマークでは、家の中で過ごす時間を何よりも大切にします。

だからこそ、椅子ひとつ、照明ひとつにも強いこだわりがある。

**“暮らしをつくる=幸せをつくる”**という文化が根づいているんですね。

私たちが設計する住まいも、ただ「住めればいい」では終わらせたくない。

毎日の暮らしの中に、ちょっと心が和らぐ場所や、何気なく座った椅子が気持ちをほどいてくれるような時間があれば、それだけで家は豊かになります。

Spanish Chairは、そうした“物語のある暮らし”に寄り添ってくれる名作だと、私は思っています。

ご来場の際は、ぜひこの椅子にも座ってみてください。

手のひらで革を撫でて、アームにそっと肘を置いて。

五感で感じる心地よさを、体感していただけたら嬉しいです。

それではまた、次のブログでお会いしましょう^^


FAQ|Spanish Chairと暮らしの豊かさについて

Q. スパニッシュチェアはどこで体験できますか?
A. 長崎材木店のモデルハウスに展示しています。ぜひ座って、その座り心地と素材感を体験してください。

Q. なぜこの椅子が「名作」と言われているのですか?
A. ボーエ・モーエンセンの思想が詰まったデザインで、実用性と美しさ、そして経年変化の楽しさを兼ね備えているからです。

Q. ヒュッゲとはどういう文化ですか?
A. 「ヒュッゲ」とはデンマーク語で「心地よさ」「丁寧な時間」の意味。家族や自分との時間を大切にするライフスタイルの価値観です。

Q. 椅子選びは暮らしに影響しますか?
A. はい。座り心地や素材の肌触りが、日々の気分やリラックス度に大きく関わってきます。長く使えるお気に入りの椅子は、暮らしを豊かにします。

私たち長崎材木店一級建築士事務所は、“より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。

 

 

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