時間に映える家。
インスタグラムには、思わず目を奪われる家が並んでいる。
整えられた空間。
生活感のないリビング。
ホテルのように美しい洗面台。
確かに、素敵だと思う。
設計者の工夫も、住まい手の努力も詰まっている。
ただ、ふと考える。
この美しさは、10年後も続いているだろうか。
家は、建てた瞬間が完成ではない。
そこから暮らしが始まる。
子どもが生まれ、物が増え、床には傷がつき、庭の木は育っていく。
生活とは、そういうものだ。
ホテルが美しいのは、毎日整える人がいるから。
この手間を、これから誰が引き受けていくのだろうか。
もちろん、できる人もいる。
けれど、多くの人にとっては容易ではない。
だから私たちは、「キラキラ」より「しっとり」を大切にしたい。
無垢の木は、傷が味わいになる。
塗り壁は、少しずつ深みを増す。
庭の木は、季節とともに表情を変える。
建てた日が一番美しい家ではなく、
時間とともに、静かに美しくなる家。
十年後、二十年後、三十年後に、
「いい歳の重ね方をしたね」と言われる家をつくりたい。
インスタに映える家より、
時間に映える家を。

092-942-2745