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創業者の想い

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環境設計という考え方

環境設計という考え方

夏の朝焼けの清々しさ。
秋の夕焼けの美しさ。
冬の縁側に差し込む陽だまりのありがたさ。
春の柔らかな光。

季節が変われば、景色は変わる。
光もまた、その表情を大きく変えていく。

私は、そんな季節や時間が好きである。

北側から眺める静かな景色の美しさ。
東から昇る朝日の爽やかさ。
夏の西日の厳しさ。

同じ太陽の光でも、季節や時間、そして方位によって、その質はまったく異なる。

しかし、業界では今もなお、

「南向きは明るい。」
「日当たりの良い家がいい。」

という考え方が、設計の定石として語られることが多い。

もちろん、それ自体は間違いではない。

だが、街を歩き、建ち並ぶ家々を眺めていると、いつも同じことを思う。

その窓は、本当に暮らす人たちの為の窓なのだろうか。

南側いっぱいに大きな窓が設けられていても、その先には8階建てのマンションが建っていたり。

あるいは、道路を挟んですぐ隣家があったり。

その状況では、人の視線が気になり、住み始めて間もなくレースカーテンを閉め、やがて厚手のカーテンまで閉め切ったままの暮らしになってしまう。

それならば、視線の抜けがある東に大きな窓を設ければいい。

北側に美しい景色が広がるなら、その景色を切り取ればいい。

住宅が密集しているなら、中庭を設け、空から光を取り込むという方法もある。

本当に見るべきものは、方位ではない。

その土地の環境である。

日当たりの良さに憧れすぎると、かえって目が曇る。

大切なのは「明るさ」ではなく、「光の質」である。

昼と夜では光は違う。

夏と冬では太陽の高さが違う。

朝日と夕日では、光の色まで違う。

つまり、「光」は一つではないのである。

だから、部屋ごとに求められる光も違う。

朝食を囲むダイニングには、東から差し込む朝日が心地よい。

一方で、寝室や書斎には、一日中強い光は必要ない。

北側から入る柔らかく安定した光の方が、落ち着いた空間をつくることもある。

反対に、冬場の西日は暖かさをもたらしてくれるが、
夏には室温を大きく上げ、刺すような日射で家具や絵などを焼いてしまう。

だから私たちは、

「南だから」

「北だから」

という理由だけで間取りを決めることはない。

まず敷地を読む。

どこに空が見えるのか。

どこに景色が広がっているのか。

どこに視線が抜けるのか。

どこから風が通るのか。

隣家との距離はどうか。

一年を通して太陽はどのように動くのか。

その土地だけが持つ個性を丁寧に読み解き、その上で窓の位置や部屋の配置を決めていく。

これが、私たちの考える**「方位設計」**である。

私たちは、効率を優先し、多くの人に当てはまる最大公約数だけを満たした画一的な建売住宅をつくっているのではない。

住宅設計とは、一邸一邸異なる土地に、一邸一邸異なる答えを導き出す仕事である。

土地が違えば、光も違う。

風も違う。

景色も違う。

そして、そこで暮らす家族も違う。

だから、間取りまで同じであるはずがない。

現代は建築コストが上がり、家をただ大きく造れば豊かになれる時代ではなくなった。

これから求められるのは、限られた面積の中で、いかに豊かに暮らせるかという設計力である。

面積ではなく、プランニング。

方位ではなく、光の質。

教科書ではなく、その土地を読む力。

私は、それこそが注文住宅の本当の価値であり、これからの時代に求められる家づくりだと考えている。

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