家の価値が問われるのは、そのときから。
新築の家は、どれも眩しい。
完成見学会や最新のモデルハウスに並ぶ姿は、
整いすぎていて、違いがわかりにくい。
新品という条件の前では、優劣は一度、横並びになる。
だが家は、例外なく時間の中へ放り込まれる。
雨に打たれ、陽に焼かれ、暮らしの癖を引き受けながら、
静かに古くなっていく。
最新式のシステムキッチンも旧式になってしまう。
家の価値が問われるのは、そのときから。
十年も経たずに、色褪せてしまう家がある。
流行に身を任せ、
手入れという時間を持たなかった家だ。
その一方で、
風景に溶け込みながら、
静かに居心地を深めていく家がある。
その差を分けるのは、
建ててからのメンテナンスであり、
時間とともに価値が続く設えであり、
「古くなること」を前提にした覚悟だ。
いい家の条件とは、完成時の美しさではない。
年月に耐え、暮らしに寄り添い、
十年後、二十年後に「建ててよかった」と言えるかどうかだ。
いい家とは、完成写真で決まるものではない。
暮らしと時間を味方につけられるかどうか。
答えは、いつも同じ。
年月のみが、それを知っている。

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