― 設計士・石並より ―
先日、津屋崎のI様邸にて、セルロースファイバー断熱材を施工いたしました。
今回の断熱材の選定は、お施主様ご夫妻だけでなく、ご両親様のご希望も大きなきっかけとなっています。ご家族みなさまが一緒になって家づくりを考える――そうしたあたたかい時間に関わらせていただけるのは、私たち設計者にとっても、とても嬉しいことです。
セルロースファイバーは、新聞紙を細かく裁断・攪拌し、ホウ酸を加えて難燃処理を施した断熱材です。主原料は再生パルプ。無数の繊維が絡み合ってできる微細な空気層が、冬の冷気や夏の熱気をしっかりと遮断してくれます。
その断熱性能はもちろん、
湿気を吸っては吐く「吸放湿性」
音を和らげる「防音性」
火に強く、虫も寄せつけにくい「防火・防虫性」
など、自然素材ならではの優れた特性を備えているのが、この断熱材の魅力です。
特に、室内や壁の中に余分な湿気を溜めこまず、結露やカビの発生を抑えてくれる点は、住まいの長寿命化にもつながる大きなメリット。自然と共に暮らす家にふさわしい、やさしい素材だと感じます。
まず、構造材の上から専用の調湿シートを丁寧に張っていきます。
これは、セルロースファイバーがしっかりと壁の中に収まり、湿気を適度に調整するための大切な工程です。
そのあと、ホースで断熱材を壁の中に吹き込みます。
専用機械で圧力をかけながら、隙間なくパンパンに充填していきます。
実際に施工された壁を手で押してみると、かなりの弾力がありました。見た目にも、しっかりと詰まっていることが分かります。
長崎材木店では、標準仕様として発泡ウレタン(イソシアネート系)断熱材を採用しています。もちろん、こちらも高性能な断熱材です。
ですが、お客様の「こんな断熱材にしてみたい」「自然素材にこだわりたい」といった声があれば、私たちは可能な限り柔軟に対応させていただいております。
断熱材に限らず、素材、デザイン、暮らし方…。
家づくりには、十人十色の“希望”があります。
私たちは、お客様のその一つひとつに真摯に耳を傾けたいと思っています。
どうか、ご家族の声を、私たちに聞かせてください。
その声こそが、良い家づくりの原点になると信じています。
こちらイソシアネート系断熱材についての記事となります。参考までに。
A.
再生新聞紙を主原料とした自然系断熱材です。
ホウ酸を加えて防火・防虫性能を高め、細かいパルプ繊維が絡み合うことで高い断熱性・吸音性・吸放湿性を発揮します。
特に結露やカビの抑制に効果があり、室内の快適さと建物の長寿命化に貢献します。
A.
他の断熱材(グラスウールや発泡ウレタン)と比べて、以下の特長があります:
自然素材由来で環境負荷が低い
吸音性が高く、生活音の軽減にも効果的
吸放湿性があり、室内湿度を調整してくれる
防火・防虫性能が備わっており、安心して使用可能
A.
セルロースファイバーは熱伝導率0.040W/m・K程度とされており、高性能グラスウールや発泡ウレタンと同等レベルの断熱性があります。
加えて、壁内での空気の対流や隙間を抑える施工ができるため、実質的な体感性能は高いと評価されています。
A.
はい。繊維が密に詰まっていることで音の振動を吸収しやすく、屋外音の侵入や室内音の漏れを軽減します。
特に道路沿いや二世帯住宅などでの採用実績も多く、防音性能を重視する方におすすめです。
A.
セルロースファイバーは**吸った湿気を放出する性能(吸放湿性)**が高く、壁内の結露リスクを抑える効果があります。
また、防カビ・防腐効果のあるホウ酸処理がされており、カビが発生しにくい環境を保てます。
A.
もちろん可能です。
長崎材木店では、標準仕様として発泡ウレタン断熱を採用しておりますが、お施主様のご希望があれば柔軟に対応いたします。
まずはお気軽にご相談ください。
私たち長崎材木店一級建築士事務所は、“より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。