──モデルハウスを“暮らしの風景”として味わうということ
「モデルハウスの楽しみ方は?」と聞かれたら、あなたは何を思い浮かべますか?
・間取りや動線を確認すること
・設備のグレードを見ること
・インテリアや収納の参考にすること
もちろん、それらはとても大切なポイントです。
でも、もっと大切なことがあります。
それは――“立ち止まる”こと。
家づくりにおいて、本当に豊かな空間は、
「ふと足を止めたくなる場所」を持っています。
設計者の意図が最もにじみ出るのは、実はそういう“気配”の部分です。
リビングに入ってすぐ、自然と目が留まる“何か”があるとしたら。
それは間取りでも、家具でもなく、
**「窓の向こうにある風景」**かもしれません。
私たちがご提案するモデルハウスには、
そんな“立ち止まりのデザイン”がちりばめられています。
たとえば、リビングの正面に設けた一枚の窓。
ただの採光や通風のためではありません。
その先には、常緑の株立ちが静かに佇んでいます。
この木は、お隣の視線を遮るためだけのものではありません。
外と中を“やわらかくつなぐ”役割を担っているのです。
設計者はこの窓を、ただの開口部としてではなく、
「目に見えないもう一部屋」としてデザインしています。
人が“ふと”目を向ける位置に、
緑の奥行きがそっと置かれている。
視線が抜けることで空間は広く感じられ、
静けさが漂い、心が安らぎます。
このとき、私たちは「空間」ではなく、
“風景”として家の中を感じているのです。
「開放感がほしいけど、外からの視線が気になる」
家づくりでよくある悩みです。
この矛盾を解決する鍵が、窓と外構、植栽の連動にあります。
・視線の通り道を制御する
・景色を切り取る“額縁”のような窓を設ける
・目隠しを兼ねた植栽を配置する
それらすべてを計算して組み合わせることで、
外を閉ざさず、内を守る。
そんな空間が成立します。
これこそが、私たちが得意とする“暮らしの設計”です。
モデルハウスを訪れる際には、こう考えてみてください。
「ここに住むとしたら、自分はどこに立ち、どこに座るだろう」
「この窓から、どんな時間の流れを感じられるだろう」
「朝の光、午後の静けさ、夜の灯り――どんな風景になるだろう」
その問いをもって空間と向き合うと、
図面やカタログでは決して伝わらない、**“暮らしの質感”**が見えてきます。
椅子に座り、ソファにもたれて、
子どもが遊ぶ姿を思い浮かべながら、
一度深呼吸して、目の前の景色を眺めてみてください。
窓の向こうにある一枚の風景。
視線の抜けと緑の気配。
そのどれもが「設計のやさしさ」から生まれたものです。
そしてそれらは、住む人の心に「安心感」や「誇り」を与えてくれるのです。
モデルハウスを見学する際は、どうぞただ歩くだけでなく、立ち止まってみてください。
そこに設計者の想いと、未来のあなたの暮らしが、重なって見えるかもしれません。
リビングや玄関、階段ホールなど、人の動線が交差する場所で立ち止まってみてください。
窓の先に緑が見えたり、光が美しく差し込んでいたら、それは設計の“意図”がある場所です。
視線を遮るためと同時に、空間に奥行きや落ち着きを与えるためです。
常緑樹は季節に左右されず、通年を通して“安心感のある風景”をつくってくれます。
はい、窓の高さ・大きさ・位置によって、部屋の印象も、住む人の行動も変わります。
設計者は、目線・景色・動線・時間帯の光の入り方までを考慮して設計しています。
長崎材木店では「間取り」ではなく「暮らしの風景」から設計をスタートします。
空間の中に“立ち止まる理由”がある家は、ただ便利なだけではない、人生に寄り添う住まいです。
私たち長崎材木店一級建築士事務所は、“より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。