土地探し・・・崖条例??福岡東スタジオ
堀井です。
以前のブログで土地探しについて書きましたが今回はその続きです。
福岡では土地価格が高くなり、土地探しは非常に難しくなっているように感じます。新しくよさそうな土地が出ても1週間もすれば売れてしまうなんてのもざらです。
そんな状況をお客様も感じられているのか、最近ではこんなお問い合わせを多くいただきます。
お客様『よさそうな土地が出たんですが、見てくれませんか!!』
お客様『早めに申し込まないと売れてしまうと不動産屋さんに言われてます!!』
僕『わかりました!急いで確認します』
で、実際に見に行くと・・・・
またこのパターンか ・・・・・・・・・
そうです、こんな土地は皆さんもよく目にされているんではないでしょうか?
一見丈夫そうだし、現状家も建ってるし大丈夫そうに見えますよね。。
でも『この土地買ってもいいですか? 』
と言われると『ちょっと待った――――!!!』と私なら一旦ストップします。
その理由はこの高低差です。新築住宅を建てようとする場合、隣接する土地との間に高低差があると非常にややこしい問題が発生します。その一つが、がけ条例です。(崖条例以外にも不適合擁壁などまだまだややこしいことはたくさんあるのですが・・・)
がけ条例は県が規定しているものや市が指定しているものなどいくつかのパターンがあり、若干規定に差があります。県や市が変わると少し内容に差があるということです。
今回は福岡市の場合で少しご説明しようと思います。
先ほどの写真を見てこれって崖なの??と思われた方もいらっしゃると思いますが、まずはがけ条例でいうとこの崖の定義をご説明いたします。
条文によると、
《地表面の勾配が水平面に対し30度を超える傾斜度をなす土地で、高さが3mを超えるもの 》
とあります。分かりずらいので図にするとこうなります。
この規定でいくとこの土地は角度は明らかに30度を超えています、またメジャーで測ると高さも3mを超えていましたので崖ということになります。
こうなるとどうなってしまうかと言いすと、崖のうえに建物を建てようとすると下端から高さの2倍離さなければ建物を建ててはいけないとなっています。
崖の下の場合は上端から高さの2倍離さないといけないとなります。
仮に高さが4mあれば8mは離さなければいけないことになっているのです。
こうなってしまっては、もはや土地の大部分を取られてしまって家を建てるスペースが無い!!ってことになりかねません。
じゃーこんな土地はすべて買ってはダメなの??希望のエリアはこんな土地ばかりなんだけど???
とお考えになるかと思いますが、一応例外がいくつかあります。
それは、 ①《 擁壁の設置により崖の崩壊が発生しないと認められるもの》や②《崖の崩壊により当該建築物が自重によって損壊、転倒、滑動又は沈下しない構造であると認められ場合》と条文には記載があります。そのほかにも制限から除外される場合はあるのですが代表的なのはこの2つだと思います。
で実際の写真を見てもらうと擁壁がきちんとしてあります。一見強そうです。
これなら大丈夫かな??となりそうなものですが、そうならないのです。。。
そもそも、このがけ条例はなんで設定してあるのかというと、敷地の安全性を担保し、がけ崩れ等による被害の防止と人命の保護のためにある条例です。
そうですこの土地の安全性を担保するには、現状ある擁壁(既存擁壁)が安全であることを確認しなければなりません。これがなかなかうまくいかないのです。30年40年も前につくられた擁壁は当時の資料などは残っていないケースが多く、どのような構造で作られているのかさえ分からない場合がほとんどです。
建築士が安全性を確認できればいいのですが、とても40年も前の擁壁を目視確認だけで安全だと判断するにはリスクが大きすぎます、目視以外の判断材料(造成当時の許可証など)がいくつか揃わなければ安全だと判断する建築士はいないと思います。
費用をかけて、擁壁を新規で作り直したり、杭工事を行い擁壁に建物荷重をかけないようにするなど大きな費用をかければ建築できますが、よほど相場より安い金額で売りに出されていない限り、コスト増になることは間違いないと思います。
いま検討してる、購入しようとしている土地は本当に大丈夫ですか??
高さが3mを超えていない場合でも
こんな擁壁がある土地を検討されている方は要注意です!!!
ここでは書ききれないほどややこしく判断しずらい内容です。
設計士にご相談の上、土地のご購入を決断してください。