過去の取り組み。 宮崎県・西臼杵産直住宅システムについて
現在、過去の歴史を編纂中である。いい機会なのでブログにも残しておこう。
宮崎県・西臼杵産直住宅システムについて
西臼杵産直住宅システムとは、宮崎県北西部の山林地域(西臼杵郡)において構築された、持続可能な林業と住宅建築を結びつける地域循環型の住宅供給システムである。
この仕組みは、山主(所有者)・製材業者・行政・住宅建築事業者が連携し、構造材としての「飫肥杉(おびすぎ)」を活用しながら、木材の地産地消と山林資源の再生を両立させている点に特徴がある。
特筆すべきは、建築事業者が「植林費」を負担することによって、伐採後の再植林を支援している点である。これにより、山の荒廃を防ぎ、将来にわたって資源が持続的に循環する林業の仕組みが成立している。
さらに、この取り組みは、単なる素材供給の枠を超え、建築における自然素材の価値、地域林業の活性化、脱炭素社会への貢献など、多面的な社会的意義を持つ。
実際にこのシステムを導入した住宅では、産地証明やトレーサビリティが明確であり、「誰がどの山から切った木か」が分かる家づくりが実現されている。これは施主にとっても安心材料となり、木の温もりだけでなく、環境的・倫理的な価値が加わる。
このような仕組みは全国的にも珍しく、西臼杵産直住宅システムは、木造住宅におけるSDGs実装の先駆的モデルとして注目を集めている。
- 2008年:全国山村振興連盟 会長賞(西臼杵型産直システム)[5]