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85センチという暮らしの寸法

85センチという暮らしの寸法

今年から家内に代わって、家まわりの清掃をすることになった。
マンションなどとは異なり戸建は道に直接隣接している。

道を挟んだ向かいには大きな桜の街路樹がある。春には人の目を楽しませてくれるが、
この季節の落ち葉には少々手を焼く。
毎日ハラハラと葉が舞い落ち、風情はあるが一気に落ちないので始末が悪い。

さて、落ち葉拾いである。
なにぶん凝り性の故、まずは「道具」から入る。いかに楽に効率よく、快適に落ち葉を回収できるか——
この一点に作戦は練られる。

箒もいくつも試した。長いの、短いの、竹製、ステンレス製、ナイロン製。
結果として、家の前のアスファルトにはナイロン製の穂先が最も良い。
松葉箒では、地面にへばりついた枯れ葉を掻き出すのに苦労する。ここは迷わずナイロン製の勝利。

一方、庭の枯れ葉には昔ながらの熊手のような竹箒。軽く、しなやかで、強い。
これ以上の道具はない。ステンレス製の針金箒は重く、回収効率が悪いのでおすすめしない。

柄の長さも重要だ。片手にちりとりを持つとなると、短い箒のほうが扱いやすい。
ネットやホームセンターを駆けずり回り試行錯誤の末、
たどり着いた「最適寸法」——柄の先から穂先まで85センチ。

毎日、そして一生のことなので妥協はできない。
散々巡り、最終的に行き着いたのはコメリだった。他には(ネットにも)この寸法はない。

さすが農業系、痒いところに手が届く。この85センチという長さ、これが絶妙なのだ。
かがまず、無理なく掃ける。
市販品の多くは80センチを切り、ひどいものでは70センチ。たかが数センチの違い、
されど。この“わずか数センチ”が、人間のスケールにおいては驚くほど大きな差となる。

私の身長は170センチ。おそらく市販品の規格は、女性や高齢者を基準にしているのだろう。
だが現代の日本人の平均身長は、昔より10センチ近く伸びている。
にもかかわらず、生活道具の多くはいまだに古い寸法のまま。
つまり、「85センチ」は、今の生活感覚にちょうど合う“現代の暮らしの寸法”なのだ。

次にちりとりの話。
道路の落ち葉を回収して廻るなら、下にパタンと開くタイプが最も実用的。
ただしスチール製はアスファルトに当たるとガラガラと不快な音を立てる。
ちりとりの高さは70センチがかがまなくて良い最適寸法。
そこで選んだのがプラスチック製。静かで軽く、容量もあり、朝の掃除にも遠慮がいらない。
これはAmazonにあった。オレンジがキッチュで可愛い。
蓋を開いた時の寸法が70センチとジャストサイズ。

内庭用にはよく見る開放型が適しているが、これもまた低すぎるものが多い。
なんと50センチが平均である。これでは腰がもたない。
調べに調べてたが、やはりコメリで発見。「立ったまま使えるちりとり」
70センチと名前そのまま立ったまま使える。
恐るべし、コメリパワー。

まとめて取るなら昔ながらの両手ですくうタイプもお勧め。一気に大量にすくえる。
プロが使うものとしては風で集めるプロアーや1,5m角の落ち葉用の回収シートも

最後に落ち葉の処理。
市町村指定のゴミ袋に入れるのが一般的だが、かさばるうえに入れづらい。
試行の末、私は農業用の円形大型ビニール袋にためて、一定量たまったら焼却処理場に持ち込む方式に落ち着いた。
これが最も合理的である。

今回は「箒は85センチ、塵取りは70センチ」という最適解に行き着いた。
仕事も遊びも、なんでも良いというものはない。
日々の中にこうした工夫を見つけ、自分の流儀をつくっていく。
それもまた、暮らしの楽しみのひとつだと思う。

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