
総合住宅展示場に行く前に、少しだけ知っておきたいこと
― モデルハウスが教えてくれること、教えてくれないこと ―
家づくりを考え始めたとき、多くの方が最初に訪れるのが「総合住宅展示場」です。
有名な住宅会社のモデルハウスが並び、一度に比較・体験できるのが利点です。
ただ、展示場という場所の“特性”を少し知っておくと、見学の視点がより深まります。
◆ 展示場の家は“暮らし”よりも“見せる”ことを意識してつくられている
展示場に建つモデルハウスは、各社がその魅力を最大限に伝えるために設計した「プレゼンテーションの場」です。モデルハウスのできが来場を左右します。
そのため、広さや高さ、仕様、素材も最上級、特別な仕様で構成されていることが多く、現実の敷地や予算とは少し距離があります。
◆ ちょっとしたトリビア。裏話。
実は、多くのモデルハウスではカメラが設置されていてトイレが設置されておらず、奥には営業スタッフが待機しており事務所を兼ねています。自動ドアまで設置されているところまであります。
そのため、目にする間取りも“暮らしを前提とした構成”というよりは、“見せ方を意識した空間設計”になっていることが多いのです。間取りの参考にはあまりなりません。
こちらも豆知識。税務上の減価償却(7年)の関係から、モデルハウスは古い建物もありますが、おおよそ7年を目安に建て替えられていきます。
基本、地方のテレビ局(福岡ならばKBC朝日、RKBなどが運営に関わっています。)
このように、展示場の家には“集客、見学用のつくり”という背景があることを、少しだけ意識しておくとよいでしょう。
また、本音で話しますが、アンケートを記入して最初に出会った人が最後まであなたの担当者となります。どこでもそうなのですがいい人に出会えるかは運次第になります。お見合いみたいなもので担当者との相性が重要となります。どうしても相性が悪い場合は上席に担当替えを相談してみましょう。
◆ 展示場では見えにくい「暮らしのディテール」
展示場では、最新の設備やトレンド、素材感に触れることができます。
しかし、以下のような「日々の暮らしに関わること」は、実際に住んでみないと見えてこない部分です:
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家族構成や生活リズムに合わせた動線
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収納や家事スペースの使い勝手
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光と風の入り方
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その会社の設計力やデザインセンス。
こうした“リアルな暮らしのヒント”は、実際に建築している建物を見せていただくことで、初めて体感できるものです。
◆ 展示場と実例、どちらも学びの場として
総合住宅展示場は、あくまでも家づくりの入口として情報収集、出会の場です。
しかし、それに「実際の住まいが見れる」。建物完成見学会が加わると、
家づくりの判断がより深まります、そこでは実際のリアルサイズの建物の見学ができます。
ということで実際に立っている建物も必ず見学しましょう。
(モデルハウスと実際に立っている建物とのギャップに気付く場合もありますが。)
また数年住んだ家を見学できる機会も開催される場合もあります。
そこでは、暮らしとともに育った実際の家の姿が見ることができます。。
家づくりの本質は、モデルハウスを見た目だけでは語れません。
時間とともに心地よさが深まる家――その価値をご自身の目で、確かめてみませんか。