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快適な寝室をつくるための設計ポイント完全ガイド【福岡の気候で注文住宅を建てるなら】

快適な寝室をつくるための設計ポイント完全ガイド

梅雨時、湿気の多い福岡の気候でも、ぐっすり眠れる場所にするために。


季節はもう少しで6月、

和暦では水無月(みなづき)「水が無い月」と書きますが、これは田んぼに水を張る「水の月」の意味とする説が有力です(「無」は「の」に通じる古語用法でもありますが・・・・・)。

さらに6月といえば梅雨。梅雨時といえば寝苦しさと湿気。

ということで今回は寝室についてのレポート。

はじめに

寝室とは、「眠るだけの部屋」ではありません。
それは一日の疲れをリセットし、明日を迎えるための“充電空間”です。とりわけ福岡のように湿度が高く、梅雨や台風も多い地域では、快適な寝室づくりには気候への配慮も必要です。

この記事では、福岡の風土に適した寝室設計のポイントを、住宅設計のプロの視点から詳しくご紹介します。


1. 【照明計画】天井照明は極力避け、目に優しい光を

✔︎理由:まぶしさ=脳の覚醒。眠りを妨げる要因に

天井のど真ん中に照明があると、仰向けになったときに目を直撃します。特にLEDの白色光は“昼”の脳波を促してしまい、眠りを妨げます。入口とベットサイドに両側から入り切りできる三路スイッチなどがあると便利。

✔︎おすすめの設計:

  • 壁付けのブラケットライト(目線より下に光源が来る)

  • 足元のフットライト(夜間トイレに起きたときも安心)

  • 調光可能な間接照明(寝る前は電球色で40W程度の暖色でリラックス)


2. 【配置計画】寝室はトイレに近い場所に

✔︎夜間の動線を短く、安心をつくる

高齢のご家族がいる場合や夜間にトイレに立つ方がいる場合、トイレと寝室が近いと非常に便利です。

✔︎プラン例:

  • トイレ → 洗面 → 寝室という回遊動線

  • ソフトクローズスライドドアや引き戸で“音”も遮断


3. 【採光と通風】寝室はあえて“日当たりの悪い場所”でも良い

✔︎昼間使わないからこそ、リビングなどに陽当たりを譲る

寝る時間帯は夜、起きるのは朝方。大きな採光は不要で、むしろ光が入りすぎると夏は暑く、朝は早く目が覚めてしまいます。

✔︎おすすめの方角:

  • 北側や北東面(樹木などで西陽をカット出来るならば北西もあり)
     直射日光が少なく、安定した明るさ。睡眠向き。

✔︎プラスの工夫:

  • 小窓+高断熱の防犯サッシで安全性と快適性を両立

  • 防音窓や二重窓もお勧め。(数も少ないので奮発してもいいかも?)
  • 風通しのために対角の窓配置 or 上げ下げ窓を利用


4. 【収納と寝室】ウォークインクローゼットの位置と音対策

✔︎収納は「動線」と「音」のバランスで考える

寝室に隣接するWIC(ウォークインクローゼット)は主流ですが、隣接する洗濯室やユーティリティの音が伝わらないように壁厚や扉の種類に工夫を。

✔︎工夫ポイント:

  • 寝室 → WIC → 洗面脱衣 → 洗濯機という“音バッファ構造”

  • 壁に防音材を入れるのも一考です。

5. 【静音設計】洗濯機・浴室から距離を取る

洗濯機や浴室は稼働音が大きく、深夜・早朝の洗濯が日常になっている家庭では、寝室との位置関係が睡眠の質を左右します。

✔︎配慮点:

  • 壁の間に収納やトイレをはさむ「緩衝ゾーン」設計

  • 遮音パネルの採用も◎


弊社モデルハウス施工例。USB・照明スイッチ兼用でとても便利。新築ならではのアイディア!

 

 

このようなものもあります。シンプルで可愛いデザイン。

シリコンでできた照明器具寝ぼけてぶつけても安全です。

6. 【操作性】ベッドサイドにスイッチを集中

✔︎照明・エアコン・スマホ充電すべて「手の届く範囲」に

就寝前に立ち上がる必要がない、というだけで睡眠の質はぐっと上がります。

夫婦の寝室の場合、両サイドにもしくはベットの真ん中にスイッチがあると便利です。

✔︎設計アイデア:

  • ベッドサイドや枕元に「電源・USB・照明スイッチ」を集約

  • 簡易ニッチ棚をつけてスマホやミネラルウオーターを置けるように


7. 【空気と香り】植物・アロマ・素材で“眠れる空気”を演出

✔︎植物:空気を浄化し、湿度も安定

  • サンセベリア:空気清浄効果+お手入れが簡単

  • アロマ:ヒノキ・ラベンダー・ベルガモットなどリラックス系を枕元に

✔︎おすすめの床・壁素材:

  • 足に優しく温かい無垢フローリング(杉、ヒノキ、パインなど)

  • 塗り壁(珪藻土・漆喰など)で調湿と静けさを演出


8. 【湿気対策】福岡の梅雨対策としての除湿計画

特に福岡の気候は梅雨〜夏場は湿度80%以上になる日も多く、睡眠中の体温調整にも影響します。

特にこの時期、8畳くらいの部屋で空気中の水蒸気や呼気などから一日に1リットルの除湿水が出る場合もあります。(我が家の場合 筆者談)

✔︎対策例:

  • 機械換気(第3種 or 第1種)+エアコン除湿

  • 除湿機の寝室使用(8000円程度の安価なもので十分)

  • 24時間換気システムの導入により給排気バランス調整


9. 【思い切りの設計】“ベッドだけ”という選択肢

ミニマルに徹した設計も、実は理にかなっています。
収納や身支度は別室にまかせ、寝室は“眠るための箱”として完結させることで、究極の静寂とリセット感を得ることができます。


FAQ(よくある質問)

Q. 寝室にはどんな照明が最適ですか?

  • 眩しさのない間接照明やスタンドライトが最適です。明るさを抑えた電球色がリラックスに効果的です。

Q. 寝室の場所は南向きがいいですか?

  • 寝室は昼間使わない空間なので、北側や西側など“日当たりが劣る場所”でも十分です。むしろ日差しを避けた方が快眠につながります。

Q. 湿気が気になる季節の対策は?

  • 機械換気+除湿機の併用がおすすめです。あわせて自然素材の塗り壁や無垢床材を使えば、調湿性能も高まります。

Q. ベッドサイドの電源や照明操作はどうすれば?

  • 寝室設計時に、コンセントやスイッチをベッドヘッド近くに集約するように計画します。USB対応のコンセントが便利です。

Q. 防犯性も気になります。

  • 1階の寝室は防犯ガラス入りサッシ+特に心配な方はシャッターなどの導入も考えましょう。カーテンも遮光+遮像性のあるタイプを選びましょう。


おわりに

快適な寝室は、「深く眠れる」だけではなく、「安心して明日を迎えられる」空間でもあります。
特に福岡のように湿度の高い地域では、素材選びや配置計画が重要な意味を持ちます。

注文住宅だからこそ、“自分たちだけの理想の寝室”を、ゼロから設計することができます。
あなたの毎日の眠りが、少しでも心地よく、深くなりますように。


詳細な情報や具体的なアドバイスについては、弊社設計士までお尋ねください。

文責・監修:長崎秀人
福岡県の注文住宅専門の設計事務所「長崎材木店一級建築士事務所」代表。
業界歴35年、建築士・宅地建物取引士資格保有。
設計から施工、不動産取引まで一貫対応する体制で、信頼性の高い住まいづくりを支え続けている。

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