
家は、どこで建てても同じ…ではありません。
住宅は、冷凍食品でも、日用雑貨でもありません。
作り置きができず、流通ルートに乗せられないという、
ちょっと特殊な“商品”です。
◆ 家は「全国で同じ」では成立しない
日本は、南北に長い国。
そのぶん、気候や暮らし方が大きく異なります。
- 北海道:極寒の冬に耐えるため、高気密・高断熱は必須。
- 富山:積雪と二世帯同居文化から、広い延床面積が特徴。
- 東京など関東圏:土地が高く、狭小地×3階建てが定番。
- 九州(福岡):台風や湿気と付き合いながら、木造住宅の文化が根づいています。
- 沖縄:台風・高温多湿のため、鉄筋コンクリートの平屋が多い。
このように、家は「その土地の気候風土」「暮らし方」「文化」によって、
設計も構造も施工も変わるものなのです。
◆ ハウスメーカーの良さと、地域工務店の強み
もちろん、全国展開するハウスメーカーにも明確な強みがあります。
- 品質の均一化
- スピーディな施工体制
- ブランドの安心感
- 部材調達の効率化
だからこそ、転勤族の方や、「とにかく安心して建てたい」という方にとって、非常に頼れる存在です。
一方で、地域工務店には地域工務店の役割があります。
- その地域ならではの気候に合わせた設計
- 土地条件に応じた柔軟な提案
- 住まい手の暮らしに寄り添った**“一点もの”の家づくり**
いわば、地域工務店の建てる家は——
**「その土地でしか味わえない名産品」**のようなもの。
◆ 「どちらが正解か」ではなく「どちらが自分に合うか」
家づくりに、正解はひとつではありません。
全国に通用するパッケージを求めるのか。
それとも、その土地、その家族、その生き方に合わせて、一からつくるのか。
どちらも、選択肢です。
**大切なのは「自分たちに合った方法を選ぶこと」**です。
ちなみに
◆ 私たちは「その土地で暮らす人のための家」を作っています。
私たちは、福岡の気候、風、湿気、光の角度、地形をよく知っています。
そしてこの街に暮らす人たちの声を、何十年と聞いてきました。
その経験と知識を活かしながら、**“その土地で本当に快適に暮らせる家”**を、丁寧に手づくりしています。
パッケージではなく、一点もの。
どこにでもある家ではなく、ここにしかない家。
それが、私たちの家づくり。
よくあるご質問(FAQ)
Q:ハウスメーカーと地域工務店では、建てる家にどんな違いがありますか?
- ハウスメーカーは全国共通の仕様・設計が基本で、品質の均一性や施工スピードが強みです。
- 一方、地域工務店はその土地の気候や文化、住まい手の暮らし方に合わせて、柔軟な設計・提案ができます。
「安定した品質」か「土地と暮らしに合わせた設計」か、価値観によって選ばれる方が異なります。
Q:なぜ「住宅は流通できない」と言われるのですか?
- 家は地域の気候や法規制、土地条件、生活スタイルに強く影響されるため、工場で一括生産して完成品を全国に配送するような“商品”とは性質が異なります。
- そのため、**「地域ごとの最適解」**が求められるのが住宅の特徴です。
Q:福岡で家を建てる場合、注意すべき地域性はありますか?
- 福岡は台風の通り道であるため、風対策や屋根設計の工夫が重要です。
- また、湿気が多いため、**通気計画や素材選び(木材の乾燥・断熱性能)**も暮らし心地に大きく影響します。
- 軒の出や庇の深さ、風の抜け方を考えた設計が有効です。
Q:全国展開のハウスメーカーでも、地域に合った家は建てられませんか?
- 近年は多くのハウスメーカーも地域ごとの対応を進めています。
- ただし、仕様・部材・間取りの選択肢には一定の制約があるため、完全な自由設計や敷地対応力では、地域密着の工務店が柔軟な提案をしやすい側面があります。
Q:自分たちにはハウスメーカーと工務店のどちらが向いていますか?
- 「とにかく安心して建てたい」「標準仕様の中で選びたい」→ ハウスメーカー向き
- 「土地の特徴を活かしたい」「設計の自由度や素材にこだわりたい」→ 地域工務店向き
迷ったら、両方に話を聞いてみるのが一番です。それぞれの強みと違いを体感することで、納得のいく選択ができます。