はじめに

福岡で注文住宅を購入する際、諸経費の重要性を理解することは、予算計画を立てる上で不可欠です。住宅購入時に必要な諸経費を詳しく解説します。今回は、特に見逃しがちな適合証明書や火災保険について説明し、これらがいかに購入費用に影響を与えるかに焦点を当てます。

【1】適合証明書

住宅購入時には、適合証明書という書類が必要となる場合があります。主に以下の2種類が関わります。

耐震基準適合証明書

耐震基準適合証明書は、特に中古住宅を購入する際に重要です。この証明書は、住宅ローン控除を受けるために必要となりますが、築年数に制限があります。木造住宅の場合、築21年以上、マンションの場合は築26年以上の物件で住宅ローン控除を利用するためには、耐震基準適合証明書が必須です。これを取得するには、耐震診断を行い、必要な修正を加えて証明書が発行されます。おおよその費用は10万円程度が相場となります。

フラット35適合証明書

フラット35を利用するためには、フラット35適合証明書が必要です。新築住宅の場合、この証明書は設計段階から決まっており、特に注文住宅では、最初からフラット35対応の設計が求められます。もし、既存の物件で後からフラット35を利用するために証明書を申請する場合、追加で10万～25万円程度の費用がかかる可能性があります。

【2】火災保険

住宅購入後に必ず加入すべき保険の一つが火災保険です。住宅ローンを利用する場合、融資条件として火災保険への加入が求められます。火災保険には主に2種類があります：保険会社が提供する火災保険と、共済（例えば県民共済）です。

火災保険の種類

火災保険には、最長10年間の一括加入が可能で、これにより年間保険料を安く抑えることができます。例えば、1年ごとの契約では5万円かかる場合でも、10年一括で加入すると割安になることがあります。また、地震保険を追加で契約することもできます。これにより、台風や地震で発生した小さな損害（例えばアンテナが倒れた場合など）に対しても保険金が支払われることがあります。

共済との違い

共済の場合、少額の損害には保険金が支払われないことがあります。したがって、加入時に保険内容をよく確認し、自分に合った保険を選ぶことが重要です。

【3】よくあるご質問（FAQ）

福岡で注文住宅を購入する際の「適合証明書」と「火災保険」について

適合証明書とは何ですか？

適合証明書とは、住宅が特定の基準に適合していることを第三者が証明する書類です。
特に以下の2種類が住宅購入時に関係します。

• 耐震基準適合証明書
• フラット35適合証明書

耐震基準適合証明書はどのようなときに必要ですか？

主に中古住宅を購入する際に必要となります。
特に以下の条件を満たす場合、住宅ローン控除を受けるために必須です。

• 木造住宅：築21年以上
• マンション：築26年以上

取得には耐震診断と必要な補強工事が必要で、費用は10万円程度が相場です。

フラット35適合証明書とは何ですか？

「フラット35」を利用するために必要な証明書です。
注文住宅では、設計段階からフラット35の仕様に適合している必要があります。
後から取得する場合、10万円〜25万円程度の費用がかかることがあります。

火災保険は必ず加入しなければいけませんか？

はい、住宅ローンを利用する場合、火災保険への加入が融資条件となっています。

火災保険にはどのような種類がありますか？

主に以下の2種類があります。

• 保険会社の火災保険：補償が手厚く、地震保険とセットにできる
• 共済（例：県民共済など）：保険料は割安だが、小規模損害に非対応な場合もある

火災保険の費用はどのくらいですか？

保険内容によって異なりますが、例として：

• 毎年契約：年額 約4万〜6万円
• 10年一括契約：割引が効き、総額で数万円の節約になることもあります

地震保険を付帯すると、さらに費用が追加されますが、
台風・地震・落雷などの損害に対応できる安心感があります。

共済と民間の火災保険の違いは何ですか？

共済は割安ですが、少額損害（5万円未満など）は補償対象外となる場合があります。
一方で、民間保険は補償内容が明確かつ広範囲なため、ローン利用者にはこちらが一般的です。

適合証明書や火災保険は、総額いくらくらいかかりますか？

• 耐震基準適合証明書：約10万円
• フラット35適合証明書：10〜25万円
• 火災保険（10年分）：20〜50万円程度（地震保険込みで変動）

これらを合計すると、30万〜80万円程度の追加費用が発生する可能性があります。

【4】まとめ

注文住宅の購入には、家そのものの費用以外にも様々な諸経費が必要です。特に適合証明書や火災保険は、購入後の生活に大きな影響を与えるため、予算計画の初期段階から考慮しておくことが重要です。これらの費用をしっかりと理解し、計画的に準備を進めることで、スムーズな住宅購入が実現します。

福岡で注文住宅を検討する際には、これらの諸経費をしっかり把握し、予算を超えないように注意することが成功への鍵となります。

文責・監修：長崎秀人
福岡県の注文住宅専門の設計事務所「長崎材木店一級建築士事務所」の代表。宅建業も営み、業界歴は35年に及び、建築士・宅地建物取引士の資格を持つ。明治30年創業の同社は、設計から施工、不動産取引まで幅広く手掛け、公正なサービス専門性と実績に基づく信頼性の高い情報を提供している。