こんにちは。
長崎材木店一級建築士事務所の設計士、八川です。
「家を建てる」と決めたとき、最初に訪れるセレモニー、それが**地鎮祭(じちんさい)**です。
多くの方にとっては人生で一度きりの体験。
でも、分からないことだらけで不安に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、「そもそも地鎮祭とは?」という基本から、当日の流れ、準備のこと、知っておきたいマナーやFAQまで、設計士の立場から分かりやすくお伝えしていきます。
地鎮祭とは、建物の着工にあたって土地の神様(氏神様)をお招きし、工事の無事と建物の繁栄を祈願する神事のことです。
正式には「地鎮祭(じちんさい)」または「とこしづめのまつり(床鎮祭)」とも呼ばれます。
「鎮(しず)」には、落ち着かせる・鎮めるという意味があり、
**“その土地を乱さぬよう神様に許可を得て、これからの工事の安全を祈る”**という意味が込められています。
これはよく聞かれるご質問です。
工事をしてくれる職人さんや施工者が安心して作業できるように。
施主ご家族の暮らしがその土地で平穏に続くように。
土地の神様やご先祖様への感謝とご挨拶として。
つまり、「人のため」であり「土地のため」でもある儀式なのです。
式はおおよそ30~40分ほど。神主さんが中心となって進めてくださるため、初めての方でも安心です。
竹4本を四隅に立て、しめ縄を張って結界を作ります。
祭壇(神饌台)には、お米、塩、酒、水、野菜、果物などの「お供え物」が並びます。
鎌(かま)、鍬(くわ)、鋤(すき)など、儀式で使う道具も設置します。
これらは通常、施工会社がすべて準備・設営を行います。
参列者と祭壇、敷地をお祓いし、清めます。
神様を祭壇にお招きします。神事の開始を意味する重要な儀式です。
神主が、土地の神様に対して祝詞を読み上げ、工事の安全と家族の繁栄を祈願します。
敷地の四隅と中央に「米と塩」をまき、土地全体を清めます。
神主「エイ、エイ、エイ!」と掛け声をかけながら、施主・施工者が「鍬」「鋤」「鎌」で儀式的な動作を行います。
施主様、施工関係者などが順番に玉串を捧げ、二礼・二拍手・一礼の作法で拝礼します。
神様をお見送りし、神事を締めくくります。
最後に、お供えしたお神酒を皆で頂きます(飲酒はせず、口をつける程度で可)。
男性:スーツまたはジャケット着用
女性:きれいめなワンピースやパンツスタイル
地鎮祭は神様を迎える儀式なので、フォーマル寄りの装いが基本です。
足元は土や芝生の現場ですので、ヒールは避け、歩きやすい靴を。
神主さんへのお礼として渡す謝礼のことです。
金額の目安は3万円〜5万円。
「初穂料」または「玉串料」と表書きし、のし袋に包んでお渡しします(施工会社から預かることも可能です)。
無事に地鎮祭が終わると、いよいよ基礎工事のスタートです。
「家づくりのスイッチが入る瞬間」として、多くのお施主様が心に残る行事とおっしゃいます。
→ 法的な義務はありませんが、多くのご家庭で大切にされている習慣です。
精神的な節目として、安心感を得たい方にはおすすめです。
→ いいえ、雨天決行です。
テントを設置して対応いたします。地鎮祭当日の雨は「縁起がいい」とされることもあります。
→ もちろんです。
家族みんなで迎える地鎮祭。お子さまの成長とともに、よき思い出になるはずです。
→ 地鎮祭のタイミングで必須ではありませんが、着工前に近隣へご挨拶に行くのがマナーです。
工事音や出入りなどがあるため、事前にひと声かけておくと印象が良くなります。
→ 基本的には施工会社が段取りから準備まですべて行います。
施主様は当日、時間通りにお越しいただければ大丈夫です。
先日も、A様、H様邸の地鎮祭を無事に執り行いました。
空は晴れ渡り、凛とした空気の中、家族みんなが背筋を伸ばし、静かに手を合わせる光景に、私自身も毎回心が洗われるような思いがします。
「家を建てる」という行為は、土地と、家族と、未来と向き合う行為です。
そのはじまりに、心を込めて儀式をする。
これは、どんなに便利な時代になっても、変わらない大切な価値だと思います。
長崎材木店一級建築士事務所では、地鎮祭のサポートも一貫して行っております。
「初めてでよく分からない」「段取りが不安」そんな方もどうぞご安心ください。
設計士・現場監督・コーディネーターが連携し、**“想いの込もった第一歩”**を全力でサポートします。