こんにちは。
先日、とある場所にて棟上げを行いました。
天気は快晴。
春の陽気に包まれたぽかぽかとした日差しのなか、大工たちの威勢の良い掛け声とともに、作業は順調に進んでいきました。
今回の現場は、少し街中から離れた、山と川、そして田んぼに囲まれた静かな地域。
耳をすませば、鳥のさえずりや風の音が聴こえてくる、そんな自然の中にある場所でした。
ふと、手を止めて辺りを見渡すと、隣の田んぼに何やら動くものが…
「ん?まさか…」と思って、すぐそばの川を覗いてみると――
いました。小さな魚たちが、群れをなして泳いでいるのです。
そして、そのそばには、おたまじゃくしやカエルの姿まで。
ここ最近では、なかなかお目にかかれない、素朴で豊かな風景。
なんだか一瞬、時間が巻き戻されたような感覚になりました。
子どもの頃、田んぼのあぜ道で遊んで、手ですくった魚をバケツに入れては家まで持ち帰っていたあの頃。
靴が泥だらけになって、母に怒られたことまで思い出してしまいました。
家づくりという仕事をしていると、こうした自然や風土、地域性と向き合う機会がたくさんあります。
それは「家を建てる」だけではない、“暮らしの舞台”を整えていくということでもあるのだと、あらためて感じました。
完成した家が、家族にとっての「ただいま」と「いってきます」の場所となり、
この豊かな風景の中で、また新たな思い出が育まれていくことを願って――。
心に残る、棟上げの一日となりました。
施工管理 鬼丸
私たち長崎材木店一級建築士事務所は、“より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。