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福岡で注文住宅を建てる。基礎断熱と床断熱の選択について

基礎断熱と床断熱の選択について

寒い季節になると、「足元が冷たい」「なんとなく足元が寒くて落ち着かない」といった声をよく耳にします。特に家づくりを検討している方々から、「足元が暖かい家にしたい」という希望が多く寄せられます。その中でも、「基礎断熱と床断熱のどちらを選ぶべきか?」という質問がよくあります。本稿では、それぞれの断熱方法について解説し、適切な選択をするためのポイントを紹介します。


基礎断熱と床断熱の違い

床断熱は、床下に外気が出入りする構造を持ち、その上の床部分で断熱を行う方法です。床下は湿気を逃がすために通気性が確保されており、外気の冷気や湿気の影響を受ける可能性があります。

基礎断熱は、基礎全体を断熱する方法で、基礎内の空間を室内環境と同じ温度に保つことを目的としています。基礎部分を断熱することで、外気の影響を受けにくくする特徴があります。

基礎断熱には、

  • 基礎内断熱(基礎の立ち上がり部分と内側60cm程度を断熱)
  • 基礎外断熱(基礎全体を外側から覆う断熱) の2種類があり、寒冷地では基礎外断熱が採用されることもあります。

各断熱方法のメリットとデメリット

床断熱のメリット

  1. UA値(外皮平均熱貫流率)が高くなる
    • 同じ厚みの断熱材を使用した場合、基礎断熱よりも床断熱のほうが断熱性能が高い。
  2. 実績が豊富で、施工コストが比較的安価
    • これまで一般的に採用されてきた方法であり、多くの工務店が対応可能。
  3. 床下浸水時の被害が少ない
    • 断熱材が直接濡れにくいため、復旧が容易。
  4. 湿気がこもりにくく、カビやシロアリのリスクが低い
    • 外気が床下に流入するため、湿度が管理しやすい。

床断熱のデメリット

  1. 給水・給湯管が冷えやすい
    • 冬場に外気温と同じくらいまで冷やされるため、出始めのお湯が冷たく感じる。
  2. 寒冷地では配管の凍結リスクがある
    • 適切な保温処理をしないと、給水管や給湯管が凍結する恐れがある。

基礎断熱のメリット

  1. 気密性を確保しやすい
    • 壁や柱の接合部分で隙間が生じにくく、断熱効果を発揮しやすい。
  2. 給水・給湯管が外気の影響を受けにくい
    • 水やお湯が冷えにくく、快適な使用感を維持できる。
  3. 床下エアコンの活用が可能
    • 床下空間を暖房に利用できるため、足元の温度を快適に保ちやすい。
  4. コンクリートの蓄熱性を活かせる
    • 日中に蓄えた熱を夜間に放出し、室温を安定させる効果が期待できる。

基礎断熱のデメリット

  1. 施工後の湿気管理が必要
    • 施工直後はコンクリートが完全に乾燥しておらず、湿気がこもりやすい。
    • 換気ファンや扇風機を活用することで、湿気をコントロールする必要がある。
  2. 床下浸水時のリスクが高い
    • 床下に水が入ると排水が困難になり、カビや腐食の原因になる可能性がある。

選択のポイント

どちらの断熱方法を選択するかは、

  1. 地域の気候条件
    • 寒冷地:基礎断熱が有利(給水・給湯管の凍結リスクを回避)。
    • 温暖地:床断熱が一般的で、施工の実績も多い。
  2. 住宅の構造と設計
    • 床下エアコンを採用する場合は基礎断熱が適している。
    • 床下の通気を重視する場合は床断熱が適している。
  3. コストと施工のしやすさ
    • 施工コストを抑えたい場合は床断熱が向いている。
    • 長期的な断熱性能と快適性を重視する場合は基礎断熱が向いている。

まとめ

基礎断熱と床断熱のどちらを選択するかは、家全体の設計や地域の条件によって異なります。

  • 寒冷地では基礎断熱が有利(配管の凍結防止・足元の快適性向上)。
  • 温暖地では床断熱が主流(施工実績が豊富でコストを抑えやすい)。
  • 床下エアコンを採用する場合は基礎断熱が適している
  • 床下浸水のリスクがある地域では床断熱が適している

新築かリノベーションかによっても選択肢が異なるため、断熱材の種類や厚み、空調システムとの組み合わせを考慮しながら、最適な断熱方法を選ぶことが重要です。ぜひ、本稿を参考にして、快適な住まいづくりを進めてください。

? 家の断熱にはどのような方法がありますか?

・主に「床断熱」と「基礎断熱」の2種類があります。
・床断熱は床の下で断熱する方法、基礎断熱は基礎全体を断熱して床下を室内環境に近づける方法です。


? 床断熱のメリットは何ですか?

・UA値(外皮平均熱貫流率)が高く、断熱性能を確保しやすい
・施工実績が多く、コストを抑えやすい
・床下浸水時の被害が少なく、復旧が比較的容易
・通気性があるため湿気がこもりにくく、カビやシロアリのリスクが低い


? 床断熱のデメリットはありますか?

・床下の外気温の影響を受けやすく、給水・給湯管が冷えやすい
・寒冷地では配管凍結のリスクがある
・足元が冷えやすくなる可能性がある


? 基礎断熱のメリットは何ですか?

・気密性を高めやすく、断熱効果を持続しやすい
・給水・給湯管が外気に触れにくいため、冬でも快適な水回りを実現できる
・床下エアコンの採用が可能で、足元が暖かくなる
・コンクリートの蓄熱性を活かして室温を安定させやすい


? 基礎断熱のデメリットはありますか?

・施工後の湿気管理が必要(コンクリートの乾燥が不十分な場合、カビの原因になる)
・床下浸水時に排水が困難で、被害が大きくなる可能性がある
・施工コストが高めになる傾向がある


? どちらの断熱方法を選べば良いですか?

・【寒冷地】:基礎断熱が有利(配管の凍結リスクが低減)
・【温暖地】:床断熱が主流(実績が多く、コストも抑えやすい)
・【床下エアコンを使う場合】:基礎断熱が適している
・【床下の通気を重視する場合】:床断熱が適している
・【浸水リスクがある地域】:床断熱が望ましい


? 断熱方法を選ぶ際の注意点は何ですか?

・家の構造や設計に合った断熱を選ぶこと
・長期的な住まい方やメンテナンス性を考慮すること
・空調計画との組み合わせも含めて総合的に判断すること

断熱隙間性能 C値について

 

文責 監修者 長崎秀人
福岡県の注文住宅専門の設計事務所「長崎材木店一級建築士事務所」の代表。宅建業も営み、業界歴は35年に及び、建築士・宅地建物取引士の資格を持つ。明治30年創業の同社は、設計から施工、不動産取引まで幅広く手掛け、公正なサービス専門性と実績に基づく信頼性の高い情報を提供している。

 

私たち長崎材木店一級建築士事務所は、“より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。

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