この記事では、福岡で注文住宅を検討している方に向けて、「なぜ希望の土地がなかなか見つからないのか?」「どうすれば“良い土地”と出会えるのか?」というテーマで、弊社におきましては不動産事業もグループで同じ事務所内にて行なっていますので、なかなか話せない業界の本音の裏話を交えながらお話し致します。
Aさんは、インターネットで希望通りの土地を見つけました。
場所も広さも予算も理想的。早速問い合わせると…
「すでに他のお客様が検討中です」との返答。
——こういうこと、意外と多いんです。
Aさんは熱心に土地情報を集めていました。
それでもなぜ、希望の土地に巡り会えないのでしょうか?
それは「土地探しのやり方」に原因があるからです。
以下のような方法だけに頼っていませんか?
不動産ポータルサイト(SUUMO・アットホームなど)で探す
不動産チラシやフリーペーパーで探す
「もし良い土地があったら教えて」と不動産屋さんや住宅会社に伝えるだけ
実はこのやり方では、本当に価値ある土地情報には、たどり着けません。
不動産業界では、土地情報が次の順番で流通します:
1.既存の見込み客に最優先で紹介(どこそこで何坪、いくらくらいなどと、具体的内容のあるお客さんに優先的に)
↓
2.懇意にしている住宅会社に提供(過去に土地取引があった会社など)
↓
3.不動産業者専用ネットワーク(レインズ)で公開
↓
4.一般の不動産サイトに掲載(SUUMOなど掲載料がかかるのでできればその前に売りたい)
↓
5.新聞チラシなどで大量に告知
つまり、一般の方に届く頃には、すでに選ばれた後というケースが多いのです。
不動産業界には「両手仲介」、「買付証明書」優先という業界の仕組みやルールがあります。
売主と買主の両方から仲介手数料(物件価格 × 3% + 6万円)が入るため、不動産会社にとって売主買主双方から手数料がもらえる「直接の見込み客」が最優先です。
例えば2000万円の土地ならば2000万円 × 3% + 6万円=66万円消費税別を売主買主双方からもらえるならば66万円× 2=132万円消費税別
つまり自分で管理している物件を自分の抱えているお客さんに双方に直接売るのが一番儲かるのです。
また、懇意にしている分譲住宅メインの会社には、現金でその場で即決してくれるため、情報が優先的に流れます。
もしいい土地が出てきたとしても、先述の住宅会社より先に購入を決断しなければなりません。
その場合、買付証明書を先に出した人が優先という業界のルールがあります。
ということは、ネット掲載は最後。ここに出る頃には実は「残り物」になっていることも少なくありません。
でも、そもそもその土地に家が建てれるのかもわからない。家の予算もわからない。いくらまで借りられるのかもわからない。ないないずくし。
結論はシンプルです。
「地域に強く、売買が得意な不動産業者」と
「建築のプロ」である設計士や住宅ローンに詳しい人たちが、
チームで動いてくれる体制を選ぶこと。
これが“いい土地”に出会うための近道です。
一口に「不動産業者」といっても、
賃貸専門
管理専門
分譲・開発型
売買専門
など、それぞれ得意分野が異なります。
「○○不動産」と書いてあるからといって、すぐに土地探しを頼んでも、
畑違いの相手だと、話がまったく前に進みません。
私たちは、設計士とローンのエキスパートと宅建取引士が同じチームとして動きます。
そもそも、用途地域、ハザードマップ、建築可能(建蔽率容積率)か、法的制限はどうか、建物はいくらくらいかかるのか、住宅ローンはいくらまで融資可能なのか、水道や下水、電気はどうか——その他にも崖条例、北側斜線制限、隣人関係などさまざまなチェック事項があります。
多角的に分析判断しながら、あなたにとって本当に価値ある土地を一緒に探します。
家を建てるための土地を探す場合において大事なのは「家が建てられるか」を確かめる。それが、本当の土地探しです。
「○○町で50坪、予算2000万円以内」など具体的に。
土地は買付証明書を先に出した人が優先。
予算や融資を含めて即決できる準備が必要です。
地域密着型で情報網を持つ業者へ。
土地は唯一無二。逃したら、二度と出会えないことも。
A. ネットは最後の情報公開手段だからです。
本当に価値ある土地は、関係者のあいだで先に決まってしまいます。
A. 意味はあります。ただし、プロのネットワークにアクセスすることが成功の鍵です。
A. 「その地域に強く」「売買が得意」な業者が理想。
実績や住宅会社との連携体制があるかもポイントです。
A. 家や土地を「この条件で買いたいです」と、書面で売主に伝えるための申込書です。
正式な契約ではありませんが、購入の意思をはっきり示すものです。
買いたい人の名前と連絡先
買いたい金額
いつ契約したいか
いつ引き渡ししてほしいか
住宅ローンを使うかどうか
申し込みの有効期限(例:3日以内に返事ください など)
本気で買いたいという気持ちを伝えるため
売主が「どの人と話を進めようか」を判断しやすくするため
条件交渉のきっかけになる
契約ではないので、キャンセルはできる
売主が他の人と契約しても問題はない
一番早く出した人が優先されるとは限らない
希望の土地は、準備をしていた人の元に流れます。
条件を明確にし、資金を整え、即決できる態勢を整えておきましょう。
私たち長崎材木店一級建築士事務所では、設計士・宅建士がチームで動く「エージェント型」の土地探しを行っています。
本当に暮らしたい場所で、あなたらしい家づくりを始めませんか?
福岡で注文住宅を建てる前に知っておきたい「土地探し」の本当の話
文責・監修:長崎秀人
福岡県の注文住宅専門の設計事務所「長崎材木店一級建築士事務所」代表。
業界歴35年、建築士・宅地建物取引士資格保有。
設計から施工、不動産取引まで一貫対応する体制で、信頼性の高い住まいづくりを支え続けている。
私たち長崎材木店一級建築士事務所は、“より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。