〜エネルギー効率・実際の暖冷房性能をふまえて〜
新築住宅の計画において、「どんなエアコンを選ぶか」は、快適な暮らしと光熱費を大きく左右する重要な選択です。特に高気密・高断熱住宅が主流となった現代では、従来の「畳数だけで選ぶ」基準では不十分です。実際、エアコンのスペックを正しく読み解けなければ、快適性を損なうばかりか、電気代の無駄や機器寿命の短縮につながることも。
ここでは、専門家の知見と最新データに基づき、新築住宅における”本当に賢いエアコン選び”を徹底解説します。
多くの人が家電量販店で目にする「6畳用」「10畳用」などの表示。この「畳数表示」は、あくまでも目安であり、実は1964年基準の木造平屋(断熱性能の低い住宅)を基準としたものです。
現代の高気密高断熱の家に関しては細かい計算方法はありますが表示畳数の3倍以上の部屋をカバーする建物性能の家がほとんどです。数式を以下に記述しておきますが詳しい計算を希望の方は弊社設計士までお尋ねください。
つまり、現代の高断熱住宅に当てはめると、オーバースペックのエアコンを選びがちで、結果的に「車で言う所の低速運転=非効率」になります。ではなぜ1964年基準についてメディアが取り上げないかというとTVのスポンサーは誰かということを考えると答えは自ずと出て来るのかもしれません。
エアコンの性能には以下の2つがあります:
特に注目すべきは最大暖房能力です。
同じ6畳用でも、上位機種では最大暖房6.3kW、下位機種では4.0kWと大きな差があります。
カタログでは「6畳〜26畳用」など10種類以上の分類が並びますが、実は中身が3種類程度しかないことも。メーカーは価格帯で細分化して見せていますが、性能差は一部のみ。本当に見るべきは以下です:
14畳用から登場する200Vエアコンは、同じ容量でも約17.5%向上。効率・性能が格段に上。
モデル | 電圧 | APF(年間効率) |
---|---|---|
14畳用 A機 | 100V | 5.7 |
14畳用 B機 | 200V | 6.7(約17.5%向上) |
200Vは消費電力あたりの出力が高く、長く使うほど電気代に差が出ます。
「余裕を見てできる限り大きめに」は一見正解に見えますが、実は燃費の悪化と快適性の低下を招く危険性が。
快適な環境づくりには、住宅性能とライフスタイルに合わせた「適正な容量設計」が必須です。
冷房においては、定格能力で足りる場合が多いです。遮光・断熱がしっかりしていれば、スペック通りの冷却が可能です。反対に軒の出のない今流行りのキューブ型住宅は不利になります。
一方、暖房は外気温が下がると性能が低下します。
コスパ・効率・性能バランスを総合的に見ると、
がもっとも合理的な選択です。どちらも市場で売れ筋となっており、実績のあるサイズです。したがってお値段もこなれています。8畳用、12畳用などの商品もありますが、性能の高い家ならいわゆる6畳用でも十分。こちらが狙い目ではないでしょうか?
型番内の数字部分が冷暖房能力を示します。これはエアコンの出力を直接表しており、単位は「kW」です。
メーカーによっても異なりますがアルファベットで製造年を表す記号が含まれています。これにより、エアコンのモデル年度がわかります。
型番内の特定のアルファベットがシリーズやグレードを示します。これにより、エアコンの機能や特徴がわかります。
型番末尾や特定の記号で電圧仕様が示されます。
一部の型番には特殊機能を示す記号が含まれます。
新築住宅は一生の住まい。だからこそ「知識と戦略」が求められます。
設計段階から設計士にアドバイスを求めましょう。
住宅の断熱性能、地域の気温、日射の状況などを逆算して最適なエアコンを選定しましょう。
※ちなみに弊社では、エアコンの提案も設計に織り込んでいますのでご安心いただいております。
Q.畳数表示だけでエアコンを選んでも大丈夫?
いいえ、注意が必要です。エアコンの「○畳用」という表示は、1964年基準の木造平屋住宅を想定しており、現代の高気密・高断熱住宅には適していません。そのため、畳数表示だけで選ぶと、オーバースペックや非効率な運転につながる可能性があります。
Q.エアコンの性能を見る際、何を重視すべきですか?
以下のポイントを重視しましょう:
これらの指標を確認することで、実際の使用環境に適したエアコンを選ぶことができます。
Q.200V仕様のエアコンは何が違うのですか?
200V仕様のエアコンは、同じ容量でも100V仕様に比べて約17.5%効率が向上します。特に14畳用以上のモデルでその効果が顕著で、長期的な電気代の節約につながります。
Q.大きめのエアコンを選べば安心ですか?
必ずしもそうではありません。オーバースペックのエアコンは、設定温度にすぐ到達してしまい、低速運転が長くなります。これにより、除湿や暖房の安定性が損なわれ、快適性や省エネ性が低下する可能性があります。
Q.冷房と暖房で必要な能力は異なりますか?
はい、異なります。
Q.エアコンの型番から性能を読み取る方法はありますか?
はい、型番には以下のような情報が含まれています:
詳細な情報や具体的なアドバイスについては、弊社設計士までお尋ねください。
文責・監修:長崎秀人
福岡県の注文住宅専門の設計事務所「長崎材木店一級建築士事務所」の代表。業界歴35年に及び建築士および宅地建物取引士の資格を持つ。明治30年創業の同社は、設計から施工、不動産取引まで幅広く手掛け、公正なサービス、専門性と実績に基づく信頼性の高い情報を提供している。
私たち長崎材木店一級建築士事務所は、”より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。