いきなりですがこちらは弊社モデルハウスの木製サッシの写真。
オール樹脂のほうがいいとよく聞くのだけれど・・・・・・
家づくりにおいて「窓選び」は、住まいの快適性や性能を大きく左右する要素のひとつです。
家づくりにおいて「窓選び」は、住まいの快適性や性能を大きく左右する要素のひとつです。この記事では、代表的な4つのサッシの種類を解説しながら、それぞれの特徴と適材適所の考え方について、住宅のプロの目線から詳しくご紹介します。
そもそもここで言う樹脂とは何かというと、樹脂サッシ(樹脂窓)の原料は、主に「塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル、PVC)」つまりプラスチックの一種です。
この塩化ビニル樹脂(PVC)は、約60%が塩(塩素)と約40%の石油を原料として作られています。
この素材は耐久性や耐候性、耐酸性・耐アルカリ性で、屋外で使用する窓枠材料として適しているとされています。
また樹脂サッシに使われる塩化ビニル樹脂は「硬質塩ビ」と呼ばれ、耐衝撃性や難燃性にも優れています。
まとめると、樹脂サッシの主な原料は「塩化ビニル樹脂(PVC)」であり、その素材の約6割が塩、4割が石油由来です。この素材によって高い断熱性・気密性・耐久性が実現されています。
住宅で使われる窓枠(サッシ)は、大きく分けて次の4種類があります。
※昭和の古い写真となります。
フルオープンなど大きな開口も取りやすい。景色を取り込む窓。
スリムなデザイン性が高い窓枠が特徴。比較的大きな開口も取りやすい。
樹脂枠のため熱が伝わりにくい。窓枠が大きくガラス面が少し小さい。
性能の高さで並べると、下にいくほど断熱性能は高くなります。
U値(熱貫流率)は:壁・窓・屋根など、建物の”個々の部位(パーツ)”がどれだけ熱を通すかを示す数値です。
ですので開口部(窓)の場合は窓枠の性能にガラスの性能を組み込んだ状態での性能となります。
トリプルガラスなどを組み込むとさらに性能値は上がっていきます。
ちなみにUA値(外皮平均熱貫流率)とは:建物全体の外気に接する部分(外皮:壁・窓・屋根・床など)の断熱性能を”総合的に平均”した数値です。AとはAverage (平均)の略です。
U値は、窓の断熱性能を示す重要な指標であり、値が小さいほど断熱性が高いことを意味します。U値は「W/㎡・K」の単位で表され、室内外の温度差1℃あたり、1㎡を1時間で通過する熱量を示します。
「結露しにくい」「強くて細くて見た目がいい」と言われるアルミ樹脂複合サッシですが、メリットだけでなく、注意点も存在します。
下記の一定条件のもとでは結露が発生したとの実験結果報告があります。
※ただし温暖地域の福岡においては、ほぼ結露は見られていない。
アルミよりも結露しにくく、冷気の侵入を抑える。しかし上記の実験結果によるとオール樹脂サッシの場合も湿度73%以上で結露しはじめたとの報告あり。
ガラス面が小さく太いプラスチックのせいでデザイン的に重く見えやすい/大開口に不向き
理想的なのは、「場所によって使い分ける」ことです。
そして、意匠も性能も妥協したくない方には、コストはかかりますが木製サッシという選択肢もあります。弊社オリジナルのN窓がコスト的にも優れ人気です。
また以前書いた記事となります。木の枠で作られた木製サッシ(窓)って何?
デザイン性価格性能のオールラウンダーのアルミ樹脂複合サッシ
断熱性能重視派はオール樹脂サッシと言うところでしょうか。
注文住宅を作るにあたり窓選びは家づくりの中でも、暮らし心地を大きく左右する重要な要素。断熱・結露・意匠性などの観点から、適材適所でのサッシ選びを心がけましょう。
Q1. サッシにはどのような種類がありますか?
A. 住宅で使用される主なサッシの種類は以下の4つです:
※U値は熱貫流率を示し、数値が低いほど断熱性能が高いことを意味します。
Q2. アルミ樹脂複合サッシとオール樹脂サッシの違いは何ですか?
A. アルミ樹脂複合サッシは、外部にアルミ、内部に樹脂を使用しており、スリムなデザインで大開口を取りやすいのが特徴です。
一方、オール樹脂サッシは全体が樹脂で構成されており、断熱性能が高く、結露しにくいですが、枠が太くなりがちでデザイン性にやや劣ります。
ただしYKK AP 高性能樹脂窓 APW330 FIXなど、スリムなフレームもでてきています。
Q3. サッシの選び方のポイントは何ですか?
A. サッシ選びのポイントは、使用する部屋の用途や求める性能に応じて適材適所で選ぶことです。
また、意匠性と性能の両方を求める場合は、コストはかかりますが、木製サッシの選択もあります。
Q4. サッシの断熱性能を示すU値とは何ですか?
A. U値(熱貫流率)は、建物の部位がどれだけ熱を通すかを示す数値で、数値が低いほど断熱性能が高いことを意味します。
例えば、オールアルミサッシのU値は6.5、アルミ樹脂複合サッシは1.8、オール樹脂サッシは1.4です。
Q5. 福岡の気候に適したサッシの選び方はありますか?
A. 福岡のような温暖な地域では、アルミ樹脂複合サッシが断熱性能とデザイン性のバランスが良く、適しているとされています。
また、結露のリスクも比較的低いため、オール樹脂サッシの必要性は低い場合があります。
営業トークに惑わされず、「暮らし」に合った窓の選択をいたしましょう。
詳細な情報や具体的なアドバイスについては、弊社設計士までお尋ねください。
文責・監修:長崎秀人
福岡県の注文住宅専門の設計事務所「長崎材木店一級建築士事務所」の代表。宅建業も営み、業界歴は35年に及び、建築士・宅地建物取引士の資格を持つ。明治30年創業の同社は、設計から施工、不動産取引まで幅広く手掛け、公正なサービス専門性と実績に基づく信頼性の高い情報を提供している。
私たち長崎材木店一級建築士事務所は、”より美しく、すみ継ぐ”という思想のもと、福岡で自然素材の注文住宅を、設計から施工まで一貫して手がけています。ただ家を建てるのではなく、暮らしをかたちにすることを何より大切にしています。「福岡で家を建てるなら、長崎材木店 一級建築士事務所」──そう言っていただけるように。
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